地形歪みを図示する方法として「変動ベクトル図(国土地理院)」が主流であるが
①その図法が局所的(地域)であること
②長期間の歪み変化を期間ごとに区切って比較できないこと
③更に固定局を採用することで地形歪みの見え方(本質)が変わる欠点があることが上げられる。
ア. 国土地理院がWeb情報で提供している「最新の地殻変動情報」を見る。
イ. しかし、Web情報で「変動ベクトル図・基線変化グラフの見方」について注意喚起している。
ウ. 特に、比較する地域の固定局を変更するだけで、地形歪みの見え方(本質)が変わる。
元国土地理院院長 小牧和雄氏の論文(要旨)を見ることから始める。
「選ばれた固定点に対 して水平変動 ベクトルを変換することにより,プレート境界や構造線が存在すると考えられる地域の地殼変動が調べられた。
この結果,東海地方 の駿河 トラフ,糸魚川一静岡構 造線,男鹿一牡鹿構造線及び九州の別府ー島原地溝周辺の特徴的な地殼変動が明らかにされた。」
ここで述べられている「固定点」の使用は、数多くのデータの中から、際立つデータを抽出するための手法であり、
化学の「触媒」に当するものと考えるが.........。
私は、この論文のように目的を明示し、見る側がそれを理解できるものでなければならないと考える。