長野県北部(神城断層)地震の前兆過程を検証する。

時系列時計::

時系列時計















①2014.11.15の電子基準点 白馬(950266)附近の地形変位

20141115_75_blue





①は2014.11.15(JST21:00)の観測で地形変位が見られない。







②2014.11.21の電子基準点 白馬(950266)附近の地形変位

20141115_75_blue




②は2014.11.21(JST21:00)の観測で地形変位が見られない。









③2014.11.22の電子基準点 白馬(950266)附近の地形変位

20141115_75_blue

③は2014.11.22(JST21:00)の観測で地形変位が顕著に現れている。
これは地震発生1時間08分前の観測データであり、②と③の位置変化が106.7°方向(約西北西)に104mm、下方向に63mm沈降したことになる。
また、気象庁資料に基づき地震調査委員会が発表(11月23日)した、「発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型」に符合する。
従って、震源の深さが約5kmと浅い直下型地震であっても、体感し得ない地殻変動(前兆)すべり)があったのでは無いだろうか。
しかし近傍の他の電子基準点には目だった変位は見られなかった。




参考に②と③のデータを記載します。
②X=3797343.4027,Y=3434494.7885,Z=3791763.3466(国土地理院GPSデータ「日々の座標値」:3次元)
◯X=78569.4914,Y=-56078.0891,H=686.9342 (8系:高向事務所で世界測地系に変換)

③X=3797343.4454,Y=3434494.6919,Z=3791763.2850(国土地理院GPSデータ「日々の座標値」:3次元)
◯X=78569.4611,Y=-56077.9890,H=686.8708 (8系:高向事務所で世界測地系に変換)

今回は、2014年11月22日(国土地理院発表)までのデータをまとめましたが、
報道では地震後の変位が現時点(2014.11.22)より大きくなっている(南東方向に約29cm、下方向に約12cm(沈降))ので、
次回に11月23日以降のデータ(世界測地系に変換)を記載します。
-----------------------------------------------------------------------------------------------

2014.11.22以降の「日々の座標値」によるデータ解析と「地形歪み図」

20141123














2014.11.23の電子基準点 白馬(950266)附近の「地形歪み図」

20141123














時系列から前兆滑りの時間を計算

時系列時計















以上の結果から、電子基準点 白馬(950266)における【21日->22日->23日の位置】が、概ね圧縮方向である西北西から東南東へ「整然とした前駆的すべり」が進行中(仮に前兆すべりがあったとすれば、こうなるだろうと想定できる...モデル1)に見えることから、観測データに異常がないと考る。
この結果(前兆すべりの存在)は、2003年9月26日発生の十勝沖地震を同じ手法で解析したものからも得ている。

特に共通して言えることは、GPSにより電子基準点が捉えた「日々の座標値」以外に「前兆すべり(地震発生以前の位置変位)」の報告がないことである。

この疑問について、直下型地震の発生過程を考察する。
-----------------------------------------------------
A.時系列を地震発生(地震波観測)から逆順に整理する。
-----------------------------------------------------
観測機器は地震計を使用する。
(1)地震発生::観測機器で観測     ::有り
(2)地震発生以前(準備過程)=>前兆現象::なし。
理由:観測機器に前兆の記録がない。
--------------------------------
電子基準点(白馬950266)に地震発生1時間08分前の定時観測時に体感を伴わない顕著な位置変位を記録していることと、(2)の結果が相反する。
(3)更に、高さ(H)の沈降率から推定すると、約2時間(1時間08分×2)かけてすべったことになる。もし「すべり」に加速度を加味すると、直下型地震であるが、「すべり」に要した時間は2時間をはるかに越えることになる。
------------------------------------------------------------------------------------------------
B.何故、GPS以外の観測機器で前兆的位置変位を捕らえることができなかったのか。
------------------------------------------------------------------------------------------------
地震計以外の観測機器における報告参照図を見ると、時間スケールメモリが概ね「日か日/2」を単位としていることから観測(記録)できなかったのではな いだろうか。
今回のGPS観測結果を踏まえて考えると、地震発生1時間08分前に 高低差を6Cm観測しているのだから時間スケールメモリを最低1時間単位のものであれば、観測できた可能性が高かったと考える。
------------------------------------------------------------------------------------------------
C.別視点から考察すると、そもそもGPS観測の原理は、尺度:光速(299,792,458m/s)と正確な時計(計算過程で時計誤差を消去する)で成り立っている。
------------------------------------------------------------------------------------------------
しかも、観測機器のもう一方が地球から離れた天空にある。
利点として位置情報を他の電子基準点と相対的なデータを記録することができることである。
B.の答えが意外と、ここにあるかも知れない。
以下考察する。
--------------------------------------------------------------------------------------
(1)電子基準点 糸魚川2(960570),長野(950267),大町(940046),滑川(960572)を順次直線 で結んだ区域に白馬(950266)を加えた地域で話しを進める。
--------------------------------------------------------------------------------------
(2)「日々の座標値」から地震前後の電子基準点5点の位置変位をたどることにする。 --------------------------------------------------------------------------------------
a.白馬以外に目立った電子基準点の位置変位が認められなかった。
極めて地域が限定された地殻変動であったことになる。
b.次に電子基準点5点に観測機器(歪計・伸縮計等)を高速車(370m/s音の速度より速い:北緯35度40分の地球自転速度)に乗せる。
c.走行中に白馬(950266)だけが突然、単独で、JST:PM8時ごろからスピード370m/s+0.000036m/s(移動率)と0.000015m/s(沈降率)で移動を始めた。
d.白馬が目的地に激突(逆断層)するまで白馬自体異常を感知できなかった。

さらに他の4点には目立った異常データが無かったことである。
(3)歪計・伸縮計等は他の電子基準点と相対的なデータを記録する機能が無い以上、白馬以外の観測機器は正常に機能していたと判断できる。
(4)何故、白馬の観測機器に異常が感知できなかったのか。
a.スピード370m/s+0.000036m/s(移動率)=>1342km/h+0.000130km/h(移動率)となるから計測時の時間軸の単位(光速?)に問題があると考える。
b.或いは、そもそも観測機器の位置が「すべり領域」にあることが問題なのか。
c.地形の変位方向は地軸X,Yの90度方向:0度から90度方向(地球の回転方向)と思われるが、2000年(有珠山噴火)、2003年(十勝沖地震)、.....、2011年(東日本大震災)、2014年(長野県北部地震)の「日々のデータ」を整理していく中で、圧縮方向が西北西から東南東でなければ説明できない事象が多くなり、日本列島の圧縮方向の仮説を東日本大震災後に西北西から東南東に訂正した。(それまでは北西から南東方向であった。)
これは、黄道に対する地軸の傾き23.4度に対し圧縮方向を黄道方向に考えると理解しやすい。
d.以上のことから、白馬だけが突然、JST:PM8時ごろ進路を維持しながら、ギアチェンジ(計測不能なぐらいの加速チェンジ)をしたことになる。
これが私の初夢でした。   平成27年1月2日
-----------------------------------------------------------

初夢のあとに         平成27年1月4日

みみずのたはこと
black box

ブラックボックスの謎
①高速車白馬には時計H、長野には時計Nを設置しPM7時に時刻を合わせている。
時計Hと時計Nは1/1,000,000/sの精度を有している。
②高速車白馬と長野は異なった地点を西北西から東南東へ一定速度(1432Km/h)で円周上を走行している。
③PM8時(A)ごろ突然、白馬の時計Hが長野の時計Nに比べて少し遅れだした。
④高速車白馬が加速しだしのだろう。しかし白馬も長野も気づかなかった。
⑤PM10時08分(B)ごろ、突然白馬が何かに激突し、その衝撃は長野にも伝わった。
⑥その後、白馬は一定速度(1432Km/h)に戻った。
この③から⑥の事象(ブラックボックス)の究明が課題である。
------------
H28.1.8
------------
電子基準点::白馬(950266)周辺の電子基準点

白馬周辺の電子準点

地震による地殻変動があった箇所(Web情報から)

白馬_地殻変動地域